| 天保6(1835)年11月15日 |


11月15日、高知城下本町1丁筋の才谷家の分家で、郷士株を持つ坂本八平方に第5子となる次男が誕生した。龍馬と命名された、その男児の容姿が話題を呼んでいる。
![]()
本町1丁筋の坂本家に誕生した第5子、その衝撃的な容姿が人々を驚かせている。誕生時、顔にはほくろが存在し、背中にはたてがみのような黒毛が生えていたため、一見するとまるで獣のようだ。
八平は、無類の猫好きである妻・幸が懐妊中から常に雄猫を抱いていたことを思い出し、猫の魂が胎内の子供に感染したのではと心配した。そこで、八平が幸に意見を求めたところ、出産の前日の晩に、伝説の「雲龍奔馬」が自分の体内に飛びかかってきた夢を見たと答えた。
これを聞いてますます不安を募らせた八平が、高名な易者に相談したところ、意外にも易者は「何と素晴らしいことだ。龍が胎内に降りてくるとは、これ以上の吉兆はない! その子は間違いなく大器となって、坂本家の家名を上げるに違いない」と語ったという。その言葉を聞いて一転気をよくした八平は、「雲龍奔馬」から2文字をとって「龍馬」と命名したようだ。
龍馬と名づけられた八平方の次男は、坂本家の5兄弟の中でも、すぐ上の大柄な姉・乙女の赤ん坊時代によく似て体が大きく、泣き声も尋常でないらしい。八平はその姿を眺め、次男の将来に大きな期待を寄せているという。教育熱心な坂本家だけに期待も大きいのだろう。







